小学６年の夏休み。
今日はおっちゃんから重大発表があると言われ、みんな道場に集まってきた。
おっちゃんもやってきて、みんな集まった。にも関わらず、おっちゃんはイスに腰をかけたままだまり込んでいる。
…何を考えているんだろうか？みんなの不安が高まる。
僕は暑さとその場の空気に嫌気がさし、啖呵(たんか)を切っておっちゃんに言ってやった。
『おっちゃん！なんの為に俺らを集めたん？』と。
おっちゃんは急に立上がり、僕に向って『おっちゃんと呼ぶなっ！館長と呼べっ！』
と、怒鳴った。
怒鳴ってスッキリしたのか、いつもの《おっちゃん》…あっ！《館長》に戻り、『お前らは今から総当たりの試合をし、負けた者から階級をつける。負けた奴から順に後ろに立ってろ。それじゃ、早よ用意しろ！』
突然、階級をつけるという変なルールが出来た。
そのせいでいきなり試合を始める事になってしまった。