相手が僕の手を引き、立ち上がろうとした時、体重差が見事に現れて僕は相手の方に倒れてしまった。

周りのギャラリー達が、
『格好つけるなよっ!』
と、おちょくってきた。
僕は声のした方を睨み付けた。

それからすぐ立ち上がり、両手で力一杯戦った相手を引っ張った。

だが、当然びくともしなかった。
どうする事も出来なかったのでやむおえず諦め、礼をして閉会式に出た。

僕が名前を呼ばれた。
前に出て、手書きの表彰状を貰った。

こうして無差別級トーナメントが幕を閉じた。

道場に帰ると、館長に表彰状を取り上げられ、ガクにも入れずにそねままガビョウで道場の入口のドアに貼った。

その帰り道、YとRが試合の時、他の道場の女の子に聞いた話を僕にしてきた。
『ねぇ、教官。今日、何回かキレた(覚醒した)やん!あれを見てさ~、他の道場の子が《あの人、最強の神様やゎ~!格好ええなぁ~。チビやけど。》って言ってたで~!さすが教官!モテるなぁ。』
と、遠回しにチビ扱いしてきた。
そんな気にしてる時にベストタイミングでRが、
『チビやって。プッ!』
と、笑ってきた。