4人の中で一番に戦う事になったのは、2軍のリーダーだった。

トーナメント表が張り出されると、すぐに試合が始まった。
2軍のリーダーの相手は身長が160センチぐらいしかなく、体格もあまりいいとは言えないほどだった。
しかし、試合が始まると、相手はいきなり切れのあるパンチで2軍のリーダーを秒殺で気絶させてしまった。
僕達は口を開けたまま呆気ない試合を見ていた。
審判にホッペタを叩いてもらい、意識が戻った。
こっちに帰って来た所、館長がすかさず頭を叩いて、
『何負けとんじゃ!それでは強くなれん。出直して来い!』
と、怒鳴りちらした。

その後、何試合か終ってとうとう僕の試合が始まった。
一回戦の相手は、居るにもかかわらず棄権(きけん)してきた。
ナメとんかと思い、審判に、
『あそこで睨んでる奴じゃないんすか?居るなら勝負したらいいじゃないっすか!』
と、言うと、審判が棄権した奴に向って、
『キミ、出れるなら出てくれないか?』
そう聞くと、
『出れへんから棄権しとるんやろがっ!』
と、挑発ともとれる言い方をしてきた。
それに苛立った僕は、
『そんな元気があるなら試合せえや!』
と、こっちも挑発してやった。