アケビは甘くて、山登りをする時は疲れを癒す効果があると、誰かに聞いた事があった。
ついでに自分の分も取りに行き、2人で石に腰掛けて食べた。
僕のやつはまだ熟しておらず、酸っぱかった。
だが、Yは美味しそうに食べていた。
「こっちじゃなくて良かった。」
と、思った。
休憩を少し取ってからまた、まき拾いを再開した。
2人はどんどん山奥に入って行った。
そして、かなり燃やしすそうな腐っている木を発見した。
走ってその場に行くと、
《私ゃ~燃えまっせ》と、いわんばかりの木がゴロゴロ転がっていた。
僕はリュックを道場に置き忘れていて、ずっと背負ったままだった。
その事に気付き、リュックの中に除菌用のアルコールを入れた霧吹きを持ってきていたのを思い出した。

元々、山に道場があるので蛇とか虫がわんさか居るのだ。
それらから身を守る、護身用具として常にリュックの中に入れていた。
それを取り出し、持って帰れそうな木にまんべんなく噴霧した。
すると、気持ち悪い事に、中からウジャウジャ白アリだの子ムカデだの蜘蛛だのいろんな虫達が出てきた。