もうすぐ中学生、最後の夏休みを迎えようとしていたある日の土曜日。
僕はいつもと変わらず道場に行った。
玄関の前に来た時、中から誰か分からないが凄い怒鳴りあってる声が聞こえてきた。
「また、喧嘩しとるんか。」
と、ため息をつき、中に入った。
パッと前を見ると、男子達全員で殴り合っていた。
『ハイ、ハ~イ!全員集合っ~!』
僕が優しく言ったにもかかわらず、止めようとしない。
ムカッときて、
『集合って言っとるのが分からんのか!アホ!早よ、来んかい!』と、怒鳴ってやった。すると、ようやく止まり、みんなが集まった。
普段から、喧嘩が絶えないのは事実だが、他で見てた奴とかが止めてすぐ終わるのだ。
しかし、今回は男子全員で喧嘩していたので止める奴がおらず、女子達はただ、見てるだけしか出来なかった。『今回の原因はなんや?』
と、聞くと、間を置いてから、
『実は、この道場の女の子の中で誰か好きかみんなで話してたら、Hが突然、女の子に抱き付こうとしたので止めようとしたんです。んじゃ、急に殴ってきて喧嘩になったんです。』
と、やっぱりしょうもない事で喧嘩をしていた。