今日も暑い日になると思いながら起きた朝の7時。
今日は初練習の日。気合いを入れて顔を洗い、歯を磨き、半パンにノースリーブの格好で道場まで走って行った。
道場に着くと既に他の練習生が準備運動を始めていた。僕は何も出来ず見ていると、前に立ってリーダーシップをとってる兄ちゃんが『今日、初練習やろ?一緒に準備運動しとかな怪我するぞ』
少し苛立ちながら言ってきた。
怪我と聞いてもあまり恐くなかったが、リーダーシップをとってる兄ちゃんの方が恐かったからみんなに混じって準備運動を始めた。
準備運動が終わるとおっちゃんがやってきてすぐさま僕が呼ばれた。怒られるのかと思いきや、これを着ろと言いながら空手着を渡してきた。しかし、着方も分からないし、何故か下だけ渡されたのだ。モタモタしてると、また、さっきの恐い兄ちゃんが近付いてきた!『怒られる!』そう思って目をギュッと閉じた。だが、何もしてこない。そっと目を開けてみると恐い兄ちゃんがしゃがんで空手着を着やすくしてくれていた。優しい…と思ったのも束の間、恐い兄ちゃんが『早く着ろっ』と、怒鳴ってきた。『ヤバい!』僕はとっさに兄ちゃんの肩に手を置き、空手着をはかせて貰った。