その反動で地面に倒れ込んでしまった。
立ち上がろうと両手を着くと背中と腰を殴った奴らが上に乗っかり、両手の自由を奪われた。
『テメェら、バットばっかり振り回しやがって男なら素手で勝負しやがれ!』
奴らの気をこっちに逸す作戦にでた。
単純なバカはゆっくり近付いて来た。
僕は彼女を見て、
『今だ!逃げろっ!』
と、叫んだ。
しかし、彼女にはショックが大き過ぎたのか逃げようとしなかった。
単純なバカが僕の視界をさえぎり、
『お前、空手してるやろ。痛かったなぁ~、お腹。』
そう言うと、手加減なしで僕の顔面に何度も蹴りを入れた。
背中に乗ってる奴らが、
『おい、それぐらいにしとかな死ぬぞっ!』
『マジ、ヤバいって!』
と、止めようとしたが、
『うるせぇ!俺に指図すんな!』
と、止めようしなかった。
僕は顔を左右に振って蹴りの命中率を下げた。
しかし、顔の行動範囲は決まっており6発目ぐらいで力尽き、目を開けるのが精一杯だった。

その後、背中に乗ってる二人は何か話しながら単純なバカの所へ行った。
僕は今の内に意識をハッキリさせ、奴らに復讐しようと企んでいた。