あれは…高校1年だった時の話。

僕はいつもと変わらない道を部活を終えて一人で帰っていた。

高校の近くにある公園を通り過ぎようとした時、
『キャ~!』
と、女の甲高い(かんだかい)叫び声が辺り一面に響き渡った。
友達の影響もあって少し不良がかっていた僕は女の叫び声にビックリした自分に腹を立て声のした方を向き、
『うっせーなーっ!ビックリしただろうが!』
と、怒鳴り散らした。
不良がかっていたとは言え、ただ強がっていただけで考えや弱者を助けようとする気持ちは捨てていなかった。
その為、心配と苛立ちが納まらず、
『何やねん!邪魔くせぇなぁ~。』
と、愚痴をこぼしながら左右も確認せずに道路を横切り、問題の公園内へ入って行った。
その公園はかなり広く、端から端まで歩くのに20分はかかる。
その上、街灯が少なく視界が悪い。
このままでは時間の無駄と思った僕は全力疾走で公園内を走り回った。