あれから月日が経ち、僕は中学に入学し、一か月が過ぎた。
中学では柔道部に入り平日だけ頑張り、空手はいつも通り土日だけ汗を流しにいった。
そして、ある日、空手の道場に行くと1軍のリーダーが僕に勝負を挑んで来いと言ってきた。
やむおえず、館長に、『1軍のリーダーに勝負を挑みます。』
と、伝えた。
館長はみんなにこの事を伝え、畳から出るように指示した。
準備が整い、試合が始まった。
案の定、ボコボコにされた。でも、僕はふらつきながらも攻撃した。すると、相手の顎に手がかすった瞬間、1軍のリーダーは後ろに倒れた。
僕には何が起こったのか分からず、リーダーを見た。
リーダーは片目を少し開け、僕と目を合わすと、寝たまま一瞬微笑んだ。
館長がほっぺたを2・3回叩くと、意識が戻ったかの様に目を覚ました。
試合を見てた練習生らが、時間差で歓声をあげた。
僕は八百長が嫌いだったので嬉しくなく、逆に損した気分に陥った。
何も知らない館長は、『よくやった。さすがだな。』
と、凄く嬉しそうに褒めてくれた。