そんな僕の異変に気付き館長が、
『おい、大丈夫か?』
と、何回か聞いて来た。

もう、その時にはすでに左腕から全身に熱が回っていて話があまり聞こえていなかった。
そう、炎をまとったこの感覚は覚醒時と同じ。
いつもは怒りが瞬発的にわき起こり、無心になって全身から力がみなぎる。
しかし、今回はジワジワと染み渡る感じで覚醒した。
無心になっておらず考える事が出来た。

僕は遅れながらも館長に、
『大丈夫です。再開しましょう。』
と、言うとKに向かって行った。
Kは少し戸惑っていたが、僕と目が合うといきなり攻撃を仕掛けてきた。
全ての攻撃を避け、さっき受け流された前蹴り(改)で再びKのお腹を狙った。
Kはまた受け流そうとしたが、前の蹴りと今の蹴りとではスピードもパワーも比にならない程強力になっていた為、Kの受け流しには動じず、そのままお腹を檄打し、Kを後方へ吹っ飛ばした。
それでも奴は立ち上がり、捨て身技を繰り出してきた。