!戦いで人は成長する!

最後の相手はやっぱりKだ。
スピードとテクニックはほぼ互角、パワーはこっちの方が一枚上手だが、Kはスタミナがある。
激しく、苦しい試合になるだろうが勝たなくては意味がない。

僕は意を決して畳に上がった。
Kと向かい合った時、
『もう、大丈夫なんか?』
と、心配してきた。
『心配かけたな。もう大丈夫。全力でかかってこい!』
戦いを楽しもうとする気持ちが通じたのか、
『当然。勝った方が缶コーヒーなっ!』
と、楽しむ気満々で構えあった。
僕もKも互いを叩きのめす気持ちで合図を待った。

『始めぇぇ!』
合図が出た瞬間、二人は同時に攻撃した。
何度か拳と拳がぶつかり合ったがそれでも打ち合いは続いた。

小一時間たった時、疲れが見えはじめ、Kの攻撃が当たるようになってきていた。
スタミナが限界を迎えようとしていたのでまともに食らうと気を失う程の威力がある“前蹴り(改)”を力一杯打ち込んだ。