!戦いで人は成長する!

相変わらず切れのある攻撃を仕掛けてくる。
僕は攻撃パターンを読み、尚且つ防御しながら一歩づつ下がった。
数分経つと相手は疲れ始め、攻撃のスピードが落ちてスキがちらほらと見えるようになってきた。
僕は全てのスキを見逃さず、一発一発の攻撃を確実に相手に当て、ダメージを蓄積(ちくせき)していった。

17発ものキツいカウンター攻撃がお腹やヒザやなどを襲い、一発だけアゴにクリティカルヒットした。
にもかかわらず、ふらつきながらガードを固めて耐えようとしていた。

どんなムキムキな奴でも2・3数発のカウンターをまともに食らえば体は悲鳴を上げて崩れ、攻撃の威力の高さに勝目がないと思い込んで戦意を失ってしまう。

僕は、
『さすが、総長をやるだけの事はあるな。』
と、心の中で思った。
相手が落ち着くのを待っていると、
『どないした。弱っちい攻撃してこいよ。』
力のない声で挑発してきた。
だが、その挑発に乗らず、
『弱っちい攻撃しても意味ねぇだろ。』
と、軽くあしらった。