！戦いで人は成長する！

その中の一人が僕に、
『お前、アイツらの仲間か？』
と、言って何人か倒れている奴を指差した。
僕は倒れている奴を見て唖然とした。
なんと、暴走族とやり合っていたのは後輩だったのだ。
僕は激怒し、後輩達に向かって、
『お前ら！何をしとるんじゃ！』
と、怒鳴りつけた。
後輩達は僕の声で気付いたように、
『教官っ！？』
と、驚いて戦いを放棄し、こっちに集まった。
暴走族達も全員集まって向かい合わせで睨み合った。
向こうの総長らしき奴が、
『久しぶりやな。俺の事覚えとるやろ？』
そう言いながら近寄ってきた。
目が悪い僕は目の前に立たれるまで誰か分からなかった。
『お前の仕業やったんか。』
僕は呆れた。

この相手は僕らの道場と対立していた道場の連中なのだ。
どんな手を使ってでも勝とうとする卑怯者の集団だ。
何回か喧嘩した事があったが、いつも向こうからちょっかいを出してきていた。

僕は戦意喪失気分で、
『んで、今回はどんないらん事をしてコイツらの怒りをかったんや？』
と、聞いた。