手首からヒジの間で蹴りを受け止め、軸になっている足首を中腰の状態で横から蹴ってやった。
先に攻撃してきた奴はバランスを崩し、硬いアスファルトに叩き付けられた。

僕は何事もなかったかの様に醤油を拾って自転車のカゴに入れた。
その時、僕の願いも虚しく、
『ねぇ、あんたあの子達を助けてあげてよ!あの子らは私を助けようとしてるんよ。』
と、妖怪が話しかけてきた。
別にこのオバハンが嫌いな訳ではないが、ずっと変な視線を浴びせてくるから気に入らなかったのだ。
僕は背後に警戒しながらオバハンに、
『余計な事考えんと怪我する前にさっさと帰れ。』
と、忠告した。
その後すぐに後ろから、
『テメェ、格好付けてんじゃねぇぞ!』
怒鳴り声をあげながらさっきこかした奴が近付いてきていた。
振り返って相手を見た。
すると、
『あっ!お前…。』
と、言って仲間らしき奴の所に帰って行った。
『なんや?…何がしたかったんやろ。』
独り言を言っているとさっきの奴が仲間を3人連れて戻ってきた。
「じゃまくせぇ~。」と、思いながら向かってくる4人をずっと見ていた。