!戦いで人は成長する!

僕を気遣ってそう言ってきた。
初めてKと戦い、仲良くなってから二人で空手を中心に棒術・剣道・柔道・少林寺などいろんな格闘技をやってきた。
柔道はお互い違う学校だったので県大会で会うだけだったが、それでも二人で練習したりもしていた。
僕の事を誰よりも知っている唯一の親友なのだ。

しかし、僕が嫌がる“言ってやる”と言う言葉をかけてきた。
聞いた瞬間、イラッとしたが、僕の闘争心を仰ぎ、幹部達に立ち向かえと言いたいのがすぐに分かった。

僕も出来る事ならずっとみんなと一緒に居てバカやって怒られたり、お互いを思いやりながら成長したかった。
だが、僕が無理をいって残っていると道場が無くなってしまうかもしれない。
そう思うと自分一人の犠牲で道場が潰れない。
なおかつ、みんなの悲しみも半減すると考え、出て行く覚悟を決めていた。
僕はKやみんなに、
『俺は出て行く。お前らの教官は死んだ。もう、会う事もないやろうから俺の事は忘れてくれ。』