！戦いで人は成長する！

三つ目は角度５０度ぐらいの急斜面を横幅わずか３０センチのサラ砂の上を滑り、正面にある頑丈な木の根を足で食い止めて体を支えなければいけない７ヵ所の中で最も危険な難関だ。
根っこの先はもちろん崖。
岩の崖ではない変わりに折れた大木や槍のように先の尖った切株が多数あった。
落雷や土砂崩れで折れた木の切株が一番厄介だった。
ここだけかもしれないが、一部の菌や寄生虫は切株の先に集まる習性を持っていた。

その事を踏まえた上で挑戦しなければならない。
深呼吸をして一気に滑った。
根っこをかかとで食い止めようとしたが、スカしてしまった。
『ヤバい！』
両足が崖に投げ出されたと同時にエアーガンを崖に投げ捨てて慌てながら根っこをつかんだ。
体は勢いよく崖に放り出された。
必死で根っこを掴んだおかげでぶら下がった状態でおさまった。
『フゥ～。』
溜め息をつき、木刀を根っこ側に投げて両手を使い一気にはい上がった。