！戦いで人は成長する！

と、面倒臭い争いをしないで済むように相手を軽く脅した。

相手のおっさんはこっちに体ごと向き、木刀を荷物が転がった崖に放り投げた。
僕が、
『あっ！』
口を細長く開けて木刀を見ると、おっさんは、
『ハハハハッ…！』
と、笑いながら山の奥へ走って消えて行った。
『なんじゃアイツ。てか、どうしたらええねん！この状況！』
いろんな事件が一度に起きた為、頭が真っ白になってどうしたらいいか分からず、その場で仰向き(あおむき)になって寝転んだ。
冷たい風が皮膚をチクンチクン刺してきていたが、寝転んでいると、かなり心地良くすぐに寒さを忘れた。

それから、うとうとし始めた時、何処からか複数の犬の吠える声が聞こえてきた。
僕の眠気は一瞬で消え、警戒心が鼓動と共に大きく膨れあがった。
周りを見渡すと、足下に持ってきていたエアーガンが落ちていた。
それを手に取り、映画で刑事が腰に拳銃を忍ばせてるようにエアーガンを腰に差し込んだ。
動く度に冷たい銃口がお尻をなぜた。