!戦いで人は成長する!

Kとリーダーらしき男は試合開始後、すぐに顔面を狙ってパンチを繰り出した。
二人の攻撃はほぼ同じタイミングだった。
拳と拳はぶつかり合いKは手を振って痛がる素振りをみせた。
相手は怯むことなく右回し蹴りをしてきた。
Kはハイキックがくると予測して顔面を左腕で隠したのだが、相手は裏を読んで右足の軌道を体の中央へと変えていたのだ
遠心力を利用して回転力を上げた鋭い蹴りがKの脇腹に食い込んだ。
ギャラリー達からは
『おぉ!』
と、歓声があがった。

確かに凄い攻撃なのだが、こっちは仲間が蹴られてるのに歓声なんて上げやがってと、ギャラリー達に腹を立てた。

Kは脇腹を押さえながら膝を着いた。
相手は攻撃を中断し、立ち位置に戻ってKの回復を待った。
審判がKに、
『戦えるか?』
と、声を掛けてきた。
『…まだいける。』
苦し紛れに片手を上げふらつきながら立ち上がった。