全ての試合を黙視していた館長が立ち上がり、練習試合に出るメンバーの名前を呼んだ。
まず、1軍のリーダー。次に恐い兄ちゃん。3番目に魔神。
そして、最後に何故か僕が呼ばれた。みんなもびっくりしていたが、一番びっくりしたのは僕だった。
補欠は2軍のリーダーとk君。
試合も終わり、帰ろうとした時、館長に止められて、
『俺が何故お前を選んだか分かるか?』と、聞かれた。
『分かりません。もしかして一発当てたから?』と、聞き返すと、『技を切り変えるスピードが早いからだ。それに…』
『それに何ですか?』僕は勢いよく聞いた。そしたら『お前はよく頑張ってるからだ。期待してるぞ。』と、
言い捨て帰って行った。
初めて館長に褒められたので、僕はもっと頑張ろうと決心し、鼻歌を歌いながら帰った。