！戦いで人は成長する！

ようやく審判が近付いてきて、
『何があったんだ！』
と、事情を聞いた。
リーダーぽい奴が審判に事情を説明し、試合は一時中断された。
事情を知った審判は全審判を集めて幹部の席にどうするかを話に行った。
その間に倒れた奴は医務室に連れて行かれた。
普段は医務室に行く奴は骨が折れたとか、出血が止まらない奴といった重傷者だけが運ばれる所だ。
なのにたった一発のパンチで運ばれてしまった。
「コイツとまともに戦ったら大怪我じゃ済まなくなるな。」
と、無意識に考えた。
そんな時、リーダーぽい奴が僕に、
『よく見つけてくれた。ありがと。それから済まない。』
と、つんつるてんの頭を下げてきた。
『ええよ！弱い奴ほど姑息な真似しやがる。お前は強そうやからあんな真似しないだろうな！』
と、侮辱ともとれる言い方で相手の心理を探った。
相手は、
『もちろん！俺は自分のこれだけで戦う！』
と、ガッツポーズをするように拳を目の前に突き上げた。
その瞬間、僕の顔にブワッと、心地よくない風が吹上げてきた。
いつもと違う鳥肌が立ったのがすぐに分かった。