僕らが並んでからすぐに目の前に5人の黒人が並んだ。

決勝戦は一人一人握手を交わすルールが義務付けられている。

無言で握手する奴は誰もおらず、
『ヨロシク!』
『頑張ろう!』
などお互い一言声をかけた。
そんな中、サップ似の奴と握手を交わそうとすると、
『お前だけは本気でやってやるから覚悟しとけ。』
不気味な笑みを浮かべながら言ってきた。
こっちも負けじと、
『それは楽しみやな!筋肉バカがどれほどのモノか楽しみにしとるぞ。』
心の中で悲鳴をあげながら言い返した。
最後に一番強いと感じたリーダーぽい奴と握手をした。
相手は、
『ベストを尽くそう!』
と、男前な事を言ってきた。
『もちろん!真剣勝負だ!』
僕はチラッと笑顔をみせた。

握手を終えると、Mを残して場外に出た。
お互い礼をし、構えた。
相手の構えは変わっており、胸の前で二つの拳をクロスして左足を一歩前に出したものだった。
Mは初めてみた構えに戸惑い、警戒心を強めたのが見て取れた。