!戦いで人は成長する!

試合開始の合図がだされ、Hは闇雲に相手のふところへ入り込もうと相手との距離を縮めた。
そして、Hがハイキックをしようと膝を持ち上げた瞬間、相手はHのスキを待っていたかのように顔をあげ、素早い前蹴りでHのお腹にかかとを食い込ませた。
Hは何も出来ぬまま後ろに倒れ、失神してしまった。
試合に出てない後輩達が手当てをする為、Hを畳の外の観覧席へ連れて行った。

相手は見下した態度を取りながらHを笑っていた。
その態度を見て僕はいてもたってもいれず、Mに、
『待ってくれ。俺と順番を代わってくれ。アイツらは許せん!』
そう言ってから審判にも、
『すみません!順番を変更してもよろしいですか?』
と、聞くと、すんなり許可が下りた。

僕は、冷静を装い、相手の前に立った。
相手はさっきと同様にうつむいて合図を待っていた。