侮辱してきた奴は舌打ちをしながら僕を片手で投げ飛ばした。
1メートルは飛んだだろか、背中から畳に落ち、30センチほど背中で滑った。
軽い呼吸困難になり、胸を押さえて息を整えていると、
『悪かったな。大丈夫か?』
デカい奴と同じ服装をした黒人の人が僕を優しく起こしてくれた。
『悪いな、ありがとう。』
礼を言うと、ニッコリ笑って黒人の団体を連れて更衣室に消えていった。
すぐさま後輩達が駆け寄って来て安否を気遣ってくれた。
そんな中、Kが、
『おい、さっきのアイツら相当強そうだぞ。特にお前を起こした奴…タダ者じゃないな。』
と、真剣な顔で言ってきた。
『言われなくても起こしてもらった時に分かった。』
『だろうな。お前の表情で俺は分かった。かなり怯えてたもんな。それより着替えに行こうぜ。』
Kはそう言うと、何事も無かったかの様に更衣室に向かったので僕らもKに続いて着替えに行った。

とうとう異種格闘技戦と言う名の厳しい戦いが始まる。