『なんで無視やねん!アホ。』
靴を脱ぎながら文句を言ってると、いきなり〈バタン!〉と、大きな嫌な音が響いて来た。
パッと音の方へ目をやると、館長が椅子から落ち、倒れていた。
僕は弁当を下駄箱の上に置いて館長のもとに急いだ。
館長の顔を見ると眉間(みけん)にシワを寄せてかなり苦しそうにしている。
僕は近くにいた後輩に、
『おい!早く救急車を下に呼べ!それから男供は一枚の畳で担架を作れ!早くっ!』
と、怒りながら叫んだ。
『クソー。なんでいきなり倒れるねん。仕事ばっかり増やしやがって!』
文句をいいながら背中を擦ってると、突然、館長の目が開き、瞬きをしたのだ。