高校生活最後の夏休みに突入し、僕らは浮かれながら練習に明け暮れていたある日、館長からいきなり、
『来週、合宿に行くぞ。用意しとけ~。ちなみに1週間行くから。』
と、告げられた。

僕は慌てて、
『何処まで行くんですか?』
と、聞くと、
『行けば分かる。第一、言っても分からんだろうが。』
館長は邪魔くさそうに答えてきた。

男達は喜んでいたが、女の子達は戸惑った表情を浮かべている。

そんなこんなで合宿の日がやってきた。

近くの駅に集まり、貸切バスで揺られること3時間。
やっと目的地の民宿に到着した。

その民宿の見た目は今にも潰れそうなほど古臭く、かなり小さいものだった。

中に入ると、外見からは想像出来ないほど綺麗で壁にシミ一つなく、露天風呂までついてあった。

しかし、部屋数は5部屋しかなく、男子2部屋、女子2部屋、館長が1部屋使う事になった。