!戦いで人は成長する!

土の隙間から気持ち悪い茶色の何かが見えた。
時間がない僕は雑に土を掘り起こし、茶色の何かを引っ張り出した。
持っていたペンライトを口にくわえ、茶色の何かをてらすと、それは錆(さび)で出来ているのかとツッコミたくなるほど、錆びた箱だった。

箱を見渡していたその時、
『シャーッ!』
と、カーテンの開ける音が聞こえてきた。

ビックリして勢いよく振り向いた。
すると、カーテンに近付いてくる影が見えたのだ。
『うわっ!来るっ!』
と、独り言を呟き、一瞬で塀を飛び越えた。
運悪く塀の下には肥料が小山を作っていたが、観念してその上に着地した。
案の定、下半身全部が肥料と言う名のウンコに塗れてしまった。

肥料の小山でもがいたが抜け出せず、
『クソッ!』
と、怒りを込めながら吐き捨てた。

自分で言ったにもかかわらず笑いが止まらなかった。