あれは小学5年生の夏。
僕は一人で電車を乗り継いで田舎の婆ちゃん家に遊びに行った。
自然が多く、虫捕りや魚釣りをしながらのんびり遊ぶのが大好きだった。
ある日、いつもと同じ場所で釣りを楽しんでたら中学生ぐらいの子達が5人きた。
中学生ぐらいの年頃と言えば縄張り意識が芽生え、知らない子がいるとちょっかいをかけたくなるらしく…、僕に『どけっ』と、喧嘩腰に言ってきた。僕は、だんまりを決めて釣りを再開した。
すると、一人の中学生が僕の髪の毛を鷲掴みにし、河原に突き飛ばしてきた。
当時の僕はおかっぱで、背も低く、体型もガリガリだった。それに比べ中学生達は体型もよく、マンガに出てくるガキ大将みたいな奴ばかりだった。
しかし、やられたらやり返すという変なポリシーを持っていたせいか、突き飛ばした奴に向って殴りかかっていった。
案の定、中学生達に袋叩きにされてしまい、意識が朦朧としてきていた。そんな時、僕の目にスーパーの袋からネギの頭をユサユサさせながら歩いてるおっちゃんを見付けた。必死の想いで『助けて~』と叫んだ。