「何処だ?見に行く。」

「はっ。此方です。」

兵士に案内させた。
望遠鏡を受け取り
兵士が指差す方を見る。

「………女?」

確かに人がいた。
しかも、女…

「何処から来た?
見ていなかったのか?」

「それが…
急に小さな嵐の渦が現れまして…
それが消えるとあの女が…
横たわっておりました。」
何処から来た?
まさか、あちら側から
越えてきたというのか?



砂嵐を越えて来た者は
一人もいない。
此方からたどり着いた者も
恐らくいないだろう。
私も兵を引き連れ試みたが
直ぐに断念せざるおえなかった。
相当な被害を受けてきた。


「保護しますか?」

「いや…様子を見よう。
目を覚ましたら教えてくれ。」

「はっ。」

壁が出来てから初めての変化。

何か動きだしたのだろうか…