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彼女を見たのは偶然だった。

「遥々、お越し頂き
ありがとうございます。」
兵士達が敬礼をする。

「よい。楽にしなさい。」
「はっ。失礼いたします。」

私の一言で、兵士達が敬礼をとく。



ここは砂漠の壁付近に
設置させた見張り台。
私は定期的に視察に来る…




面倒なのだが……





行かないと誰かさんに
こっぴどく叱られるので…
今日も、仕方なく来る。

「何か変わったことは?」
「はっ。御座いません。」
「皆、ご苦労だったね。
引き続き頼むよ。」

「有り難き御言葉…
我々にお任せ下さい
セルフィーニ王。」

まぁ、来たからには
やることはやる…





突如現れた砂嵐の壁。
何が起こるか解らない…
戦争が終わったと言え
いつ、向こう側の国から
攻められるかも解らない…
何よりこの膨大な魔力を放つ壁は
野放しにはさせられない。
我が街はここの監視をかってでた。





「たっ…大変です。」

一人の兵士が血相を変え
走ってくる。

「無礼者!」

「よい。何事だ?」

隊長が叱るも、兵士の慌てぶり…
早急に聞いた方が良さそうだ。

「人が…人が倒れています。」

こんな所に人?
誰か越えようとしたのか?









まさか…