「………!?」

瞬間的に現れた殺気で我に帰る。



誰かいる?

木から下りて辺りを見渡す。

近づいてくる殺気。





獣の臭い……と、血?
野生なら襲ってくる可能性が高い。
腰に下げてるダガーに手をやる。



森の中に動くものが見えた。

こっちに…来る。











警戒するも、様子がおかしい。
目を凝らすとユラユラと
影が揺れていた。

「何だろう…」

血の匂いが濃くなっていく。












月明かりの下にやって来たのは…












血塗れの狼だった。







「凄い怪我…大変。」

オレは急いで駆け寄った。