とにかく歩いて…

気がつくと

小さな森の中にいた。





カーネリアとラピスラズリの
境界線付近だ。

「綺麗…」

木々の間から見える星が
キラリ輝いていた。

「でも、さすがに暗いか。」

ショルダーから携帯用の
ランタンを取り出し
火をつけた。



帰る気にならず
真夜中の森を散策しはじめる。
怖くはない。
昔、嫌と言うほど
こうゆう所に身を潜めていたから
慣れてしまっている。



少し歩くと広場があった。中央に小さな木があり
枝は太く腰かけるには
丁度良さそうだった。

枝に座ると足をぶらつかせ
夜空を見上げた。



「月が…大きい…」



無になり…
暫く月を見つめていた。















「何だか…似てた気がする。」

いつの間にか
セルフィの事を思い出していた。












仕草も


笑みも


口調も














あの人に似ていた気がする…











会いたい

















涙が頬を伝う。