飲み屋が続く道路に着く頃には
辺りはすっかり暗くなっていた。

オレはキールの話を適当に聞き流しながら
街を把握していた。

「さっ…着いたよ。」

確かにお腹は空いている。
どうせなら…
美味しいものを
いっぱい奢ってもらおう…って…

「あれ……ここって…」

「オレの行きつけの酒場だよ。
まぁ…野郎ばっかだけど
料理も酒も絶品だから。」
相変わらずの爽やかスマイルで酒場に入っていく。
そう…どう見ても酒場。
すでに、外まで聞こえるほど
中は盛り上がってるようだ。
キールの勝手なイメージだと
高級料理店を創造しただけに…



まっ、いっか。
オレもこっちの方が落ち着くし。
キールの後を追って
酒場に入ろうとすると



『ガルゥゥゥ』





動物の鳴き声が聞こえてきた。