「アンバーがマラカイトの人達に
住居を提供したんだっけ?」

なんだか、片言の言葉が出る。

「そうだよ。
マラカイトが…
あんな事になったでしょ?
他の王と話し合って
それぞれ、役割を決めたんだ。」

それは初耳だ。
マラカイトの事件については
まだ詳しいことを知らない。

「あぁ、これは公にしてないから…
知らなかったかな?」

返事がないオレに
キールはくすくす笑っていた。

「三人の王様方は
顔すら公表してないからね。
本当にいるのか?
…なんて、言う人もいるしね。
まぁ…それはマラカイトの王が
一番怪しいけど…」

楽しそうに言っていた顔が曇っていく。

でも…この人詳しそうだ。
探りを入れるには絶好のチャンス?

「ねぇ…
さっきの王様達の約束って?」

「あぁ、マラカイトの事件に絡んで
それぞれ役をもつ協定を組んだんだ。
ラピスラズリはマラカイトの情報収集と
同時期に出来た砂嵐の壁の見張り。
カーネリアはマラカイトによる
魔法防御の確保と攻撃の準備。
そして…
アンバーはマラカイトの住民達の
受け入れと支援。
三つの街は、この件に関して
常に連携を取っていく事とする
……ってね。」

なんだ。

王達は犬猿の仲だって
噂だったけど
やることやってるじゃないか。
でも砂漠の壁の見張りって…