「もぉぅぅ…
ほっとけなかったのよ!
あの子……
あんな顔するんですもの…」





気分転換に…

海岸に行っただけなのに…
春先の夜中は、
流石に誰も居ないと思っていた。










だけど…

そこには、今にも泣き出しそうで

こっちまで

胸が締め付けられる様な…
そんな、悲しい顔をした

ペリドットちゃんがいた。




何処か神秘的で

吸い込まれそうで…

私、完全に見とれてたわよね?










話している時は
子供に見えたのに…
それからは想像もつかないくらい
大人びて、魅力的だった…









そう…










あれは…










「じゃ…寝ますね。」

いつの間にか
回想に浸っていた。
ジェフの声で我に返るも。
「えっ、ちょっ…
ちょっと酷くない?」

気がつけば、ジェフは扉の前。

「もっと聞かなくていいの?
心配だったんでしょ?」

「三十過ぎた男が
夜、出歩いて何しようが…
僕には関係ありません。」




えぇ!?

さっき怒ってたわよね?





「じゃ、眠いんで寝ます。
おやすみなさい。」

一方的に言い放つと
ジェフは部屋を出ていった。
残されたライは口をポカンと開け。










「あんまりじゃない〜」

あまりの仕打ちに立ち直れず
重い足取りでベッドへ向かった。