一瞬……ってか、
数秒、何が起こったか
理解できなかった。

呆気にとられていると
また、馬の足音が近づいてくる。
文句の一つでも言ってやろうと
起き上がるも…

「この親不孝者!!」

「えぇ!?」

先に怒鳴られた。
言ってる意味が解らず、固まる。



白馬に乗っていたのは
高そうなローブを着た男?
フードで顔が見えないが
声は男………っぽかった。


男がフードを取ると
月明かりに照らされ
キラキラ光る、金色の髪と
整った顔立ちがくっきり見える。

カッコいいと言うか…
美しかった。
不覚にも見とれてしまい
男が真剣な表情だったのに
気がつかなかった。



男は馬から降りると
オレの肩をガッシリ掴み。
「いいこと?
戦争が終わったばかりで…
先も見えなくて…
不安ばっかりかもしれないけど…
これから良いこと
い〜っぱいあるんだから!
まだ、若いんだから…
諦めるんじゃないわよ!!」

思いっきり真剣な表情で
説教された。





……ってか、
自殺するとか思ったのかな?
しかも……










オネエ系!?



思わず口が開いていたのだろう。
オレの表情を見て
男も『アレ?』っと
思ったようで。

「……え〜とぉ…フラれたとか?」

いやいや…違うし。










「………ぷっ……」

駄目だ…我慢できない…

その場にしゃがみこみ





笑いだしてしまった。