「はぁ〜…ベリーのやつ。
一体どこに逃げたのやら。」

大量の書類を抱えながら
銀色の髪をなびかせた
城の主は彼方、此方と
部屋を覗いて歩いていた。




もう、深夜の1時だと言うのに…

「ったく…朝までに
片さないといけないのだが…
肝心の本人は寝てる訳でもなく…
まさか、城の外にでも…」
あれこれ考えていると
廊下の窓から一つの部屋に
視線が止まる。

「……あそこか。」

珍しく、こんな時間に
光が灯されている部屋へ
足を急がせる。

「後は…
勝手にやってもらうとしよう。
流石の私も三日連続
寝ずの仕事はキツいぞ。」


この三日…
溜まりに溜まった書類の処理に
一人寝ずの作業をしていた。
補佐である
彼女の仕事でもあるのに…




愚痴をこぼしながら
彼女が居るであろう
部屋の前にたどり着く。



立ち止まり、深呼吸をして
息を整える。
部屋の中からは
女性達の笑い声が聞こえてきた。
一人は聞き覚えのある声。


探していた彼女だ。



「………………」











―――バンッ―――







私は怒りを込めて
扉を乱暴に開けた。


「ベリー!
貴様こんな時に何をしている?」











予想通り
私の目に入ってきたのは
紅茶を飲みながら
笑みを浮かべているベリーと…












ポカンと口を開け
固まっているペリドットだった。