「別にいいけど・・・。」
そう言って唯と奏瑠はアドと番号を交換した。
「じゃ、放課後ここで待ってて。俺ら迎えに来るからさ。」
「うん。わかったよ龍。」
「じゃ、放課後な。逃げんじゃねぇーぞ唯。」
「えっ!?なんで私に言うの?」
「だって逃げそうだから。」
「なっ!ひどいよ。奏瑠・・・。」
「奏瑠の言うとおりかもな。」
「可威君までひどいよォ・・・。」
「おいおい。唯ちゃんかわいそうだろ。奏瑠、可威。」
「でも龍。唯ちゃんたち逃げたら、どうすんだよ。」
「んー。その時は全力で探しだす。」
「なっ。龍君も晄斗君もひどい!」
「そうよ!唯はともかく、私は逃げないよ!!」
「玲華。それフォローになってない。」
「えっ、マジ。」
「ははははは。でも、俺らから逃げることできねぇーと思うよ。」
「え?なんで?どうゆう意味奏瑠?」
「知りたかったら、放課後逃げてみ。ま、できるもんならな。じゃ、放課後な唯。」
唯はうなずいて、四人は教室へ戻っていった。
「なぁ、奏瑠。」
「なんだよ龍。」
「お前、唯ちゃんのこと好きだろ。」
「な、なんでそう思うんだよ。」
「俺ら中二からの仲だぜ。そのくらい奏瑠のこと見てればわかる。」
「うっ・・・。」
奏瑠は何も言い返せなかった。
「マジで!でも唯ちゃんかわいかったよな。」
「へー。晄斗と奏瑠は唯ちゃん派か。」
「なんだよ可威。まさか、唯ちゃんの隣にいた『玲華』って奴狙ってんのか?」
「もち!」
「龍はどうなんだよ。」
「えっ、俺?」
「あぁ。」
「俺も玲華かな。」
「マジで。じゃ何。俺らダチでありながら敵どうしかよ。」
「そうなるな。」
「で、奏瑠はいつから唯ちゃんのこと好きになったんだよ?」
「え、いつからって・・・。入学して一・二週間ぐらいからかな。」
「マジ!唯ちゃんの番号とか聞いたのかよ。」
「あぁ。交換したよ。」
「奏瑠聞くの早くね。」
「そうか?」
「いいや。聞いといて正解だぜ奏瑠。」
「どうゆう意味だよ龍。」
「俺、K高のダチから聞いたんだけどよ、唯ちゃん他高でも人気でファンクラブとかもあるらしいぜ。うちの学校の先輩だけじゃなく、先生にも人気みたいなんだ。だから、二階、三階の男子が集まってるところは、唯ちゃんの話でもちきり。