─すきな人には
彼女がいました─

それを知ったのは

すきになってから
ずいぶんあとの話し


知ったからって
とめられなかったのです

諦めようかなって
一人で考えても

顔見た瞬間、また



『すき』が増えて

だめだったんです


諦めるなんて
できません


フラれることなど
重々承知

それでも想いはとまらない


さぁ行け、あたし

今日も5時からバイトの時間だ


あなたに会いに、ゆくのです


まだまだ緊張しまくりだけど

あなたの笑顔が
あたしの笑顔の源だから



今日も優しく笑いかけて。
今日も明るく話しかけて。




『今日もいっぱい笑いたいな』

『今日もいっぱい話したいな』



そんなことを思いながら

あたしは玄関を開けた。







「今日も会えたら……








いいなぁ」












──────fin