『ミチ?聞いてる?』


『えっ?あぁ、ごめん聞いてなかった』




ハッとなって翔にそう言うと、翔はお前なぁ、なんて言いながら呆れたように笑って…




『ほら、行くぞ。映画始まっちゃうし』




そう言って、

あたしに左手を差し出した。





『うんっ!』




そしてあたしもその翔の手に自分の右手を重ねて。



あたし達は久しぶりに二人で手を繋いで歩いた。