『確かに俺は、ミチにウソをついたかもしれない』
『ついたかもしれないじゃなくて、ついたんだよ』
『……分かった。ついたんだよな。でもな、自分でも分からないっつーか…覚えがないくらい、日常的だったっつーか…』
『何それ?じゃあ毎日女の子と一緒に帰ってたってこと?』
『そうじゃない。ただ同じ学部の仲良くなったメンバーで駅まで歩いたりするのはよくあったから。それは男とか女に限らずさ…四人五人で帰ることもあれば、二人の時もあったし』
ミチなら―――
ちゃんと信じてくれると思ってた。
ミチなら―――
ちゃんと分かってくれると思ってた。
でも……
『翔、変わったよね…。前ならさ、あたしのこと…ちゃんと考えてくれてたのに。やっぱりそばにいなくなったら変わっちゃうんだよね。気持ちだって…結局離れていくんだよ』
ミチはそう言って。
冷めたような声で。
俺をバッサリと切り捨てた。



