『……………見たよ』
そして、張り詰めたようなそんな冷たい空気の中、ミチは俺にそう言葉を返して。
次の瞬間、
見たこともない、聞いたこともない、別人のようなミチの姿が、
初めて俺の前に現れたんだ。
『翔…大学に何しに行ってるの?』
『女と電話したりメールしたりするため?』
『所詮近くにいなくなったらさ……いつもそばにいなくなったらさ……気持ちなんて簡単に変わっていくんでしょ』
『ってゆーかだいたい何?あたしは何なの?翔の何なの?』
『平気でウソついてさ、罪悪感とか感じないわけ?』
『もう…やだ……あたし……我慢できない』



