「あの男が誰なのかもわかんねーけどさ。色んなことが重なってたじゃん?俺たち」
「んっ…」
「ケンカしてさ、すれ違ってばっかで」
「うん…」
「だから…怖かったんだ。もしかしたらミチはこんな俺なんかよりもああいう大人の男に惹かれてしまってるんじゃないかとか…不安で怖かった」
好きだから、不安になって。
好きだから、怖くてたまらなくなって。
好きだから…離れた方がいいのかと思った。
だけど…
「でも俺、やっぱ無理だった」
「…っ…」
「電話無視すんのも居留守使ったのも…すげー苦しくてさ」
鳴り続けていたケータイを握りしめながら、ずっと目をつむっていた。



