「ごめんな」


「ううん…っ…私も……で…っ、翔の……もっ」


「何言ってるかわかんねーし」



俺はそう言いながら、ミチの頭をそっと撫でた。



バカだったんだ、俺たちは。

幼かった、多分めちゃくちゃ。


大事なことを忘れかけていた。



過去でもない、未来でもない。


この“今”が全てなんだ。


この瞬間、
この今の気持ちが全てなんだよ。



好きだと思うこの気持ち。

こうして隣にいて、やっぱりこいつしかいないって感じる気持ち。


もう絶対、離れたくないって思う気持ち。



それだけで良かったんだ。