タクに言われた通り、俺たちは橋の下までゆっくりと歩いてきた。
「座ろうか」
「うん」
そして日差しを遮り影になったその場所に二人で座りこんだ。
何から話そう。
何から言えばいいんだろう。
そんなことを考えながら隣にいるミチをチラッと横目で見ると、ミチも同じように俺の方を見ていた。
「あのさ…」
何から話せばいいのか心の整理ができていないけど。
「背伸びすんなよ」
「素直になれよ」
さっきのタクの言葉を思い出すと、心の整理とかそういうのはもう関係なく言いたいことをありのまま話そうと思えた。
「俺………変わってないから」
「えっ?」
素直に伝えるんだ。
「ミチのこと……今でも大好きだよ」
「えっ…」
「変わってない、なーんにも」
「翔…」
もう背伸びはしない。
俺が思ってること、そのまま言う。
「高校の頃も今もさ……好きな気持ちは変わってない。むしろ……今の方がもっと好きかもしれない」
「…うん…っ…」
一人分くらいあいていた、ミチとの距離。
俺はそっとその間を埋めるようにミチのそばに寄り添った。
「泣くなって」
「んっ……だっ…て…」
子供みたいにポロポロ涙を流すミチ。
どうして分からなかったんだろう。
どうして気づけなかったんだろう。
あいていた距離も、こうして寄り添えば簡単に埋められたのに。