いろんなことを考えながらも、スパッと気持ちを切り替えて、スーッと深呼吸をした。
「さっ、あいつら戻ってくるまでに準備するべ。ナオ、アレは?」
「あ、それがまだ店あいてなくてさ。買えてないんだ」
「マジ?でももうそろそろ開く時間だよな?俺買ってくるからとりあえずお前らで準備進めといてよ」
俺は二人にそう言うと、足早にその場から歩き出した。
誕生日なのにケーキがなきゃ味気ないだろ。
急いで買って戻ってこよう。
河川敷の近くにとめていた軽トラに乗り込むと、俺は駅前のケーキ屋へと車を走らせた。
つーか…五人のうちカップル二組ってさ、俺マジで空気じゃね?
でもま、そのうち俺もさ、翔とナオが羨ましくなるくらいの可愛い彼女、絶対見つけて。
いつかあの場所に連れていこう。
でさ、昔はここでこうしてて…とか。
彼女に話してあげたりして。
なぁみんな。
いつか俺にも、
きっとそんな日が来るよな?



