「つーか、悪かったな。今仕事忙しい時期だろ?」
翔とミチがいなくなると、ナオが俺の肩をポンと叩いて。
「ほんとごめんね、仕事大丈夫だった?」
マナもまた、目の前に立ちながら気まずそうに謝ってきた。
「ほんと、いちいち世話の焼けるやつらだよ…。あ、でもこれで最後だぞ?」
「えっ?」
キョトンとした顔で、マナが俺の目を見ている。
「ケンカの仲裁ぐらいで今日みたいに仕事休めないし。だからもしこれから…あいつらとかお前ら二人がケンカしても…もう助けてやることはねーからな」
精一杯、笑って言った。
キュッと痛む心を必死で隠しながら、俺は笑ったんだ。
俺、ずっと好きだったお前のこと。
でもな…
きっとこの痛みとか苦しかったこととか。
ちゃんといつかは、思い出に変わると思う。
いつか、お前を忘れてさ。
お前よりも好きになれるような女に出会って。
懐かしく振り返ることができる時が、ちゃんとくると思うから。



