それから…まだ世話の焼けそうな目の前のこいつら二人。

翔とミチ。


ミチはうつむいたままで。

翔は戸惑った顔をしたままそんなミチを見つめていて。



「はぁっ…」


俺は呆れながらため息をつくと、スーッと深呼吸をして口を開いた。




「お前らさ、ムカつくんだよ」


「えっ」



翔は俺のそんな言葉に驚いたのか、目が合ったのに…そのまま気まずそうに逸らされた。




「えっ、じゃねーだろ。俺、ムカつくって言ったんだけど」


「ちょっとタク…」



慌てたようにマナがそう言って間に立ったけど…



「話さないんなら帰れよ?」


「ちょっとタク!」


「マナは黙ってろ」


「だいたいさ、俺らもう高校生じゃないから。ヒマじゃないし忙しいし。つまんねーケンカに付き合ってられるほど余裕ない」



シーンとした空気が、俺たちを包んでいく。