「なぁ翔」


「んー」


「本当にこのまま別れていいのか?」


「ーーーー」



シーンとした空気が、俺たちを包む。


迷いとか悩みとか。

多分いろんなもんがあって。


それはきっと、増えたり減ったり。

だけどこれからも、そういう迷いとか悩みって多分なくなることはなくて。



すっげー楽しかった過去。

まだ見えない未来への不安。


その狭間で、こうやって考えて考えて。

きっと自問自答を繰り返す。



あの頃に戻りたいとか、いつかこうなっていたいとか。





…でもさーーー



「過去より未来より、やっぱ今じゃね?一番大事なのは」




過去より未来より、今。


俺がそう言うと、翔は小さな声で

「……うん」とだけ言った。