『マジメか』
ハハッと笑って、短くそう返した。
『ナオよりはな』
そしたら翔もフッと笑って。
また静かな空気が俺たちをつつんだ。
『大人になっていくのってさ……楽しくないよな』
翔がつぶやく。
『そうだなぁ。アレじゃね?高校ん時が楽しすぎたのかも』
『そうだな。毎日笑って、バカなことしてはしゃいでたもんな』
ほんの数ヶ月前のことなのに。
あの頃が懐かしいと思う。
俺たちの高校時代は、楽しすぎたんだ、きっと。
毎日が楽しくて、ふざけ合って。
ずっと笑ってばかりだったから。
だから…
『戻りたいよ、高校ん時に』
翔の声に、切ない想いが溢れていて。
同時に、俺もまた同じことを思った。
別に今が楽しくないわけじゃない。
バイトや専門学校では新しい出会いもあるし、いろんな勉強にもなる。
それなりに充実はしてる。
だけど、何でだろう。
あの頃みたいに、毎日バカみたいに笑わなくなって。
ふざけてはしゃぐことも減っていって。
ゆっくり空を見上げることもなくなった。



