『俺はまだまだ学生じゃん?』
『うん』
『車もないし金もないし。到底あの男にはかなわなそうっつーか』
つまり勝手に負けた気になってるんだな、お前は。
『つーかさ、別に比べる相手じゃなくね?』
『えっ?』
『そりゃ、俺だって他人と比べる時はあるよ。アシスタントのバイトでもさ、何であんな奴に負けるんだって悔しい思いもする時はある。でも、自分は自分だろ?自信なくしたらおしまいじゃね?』
自分が自分の自信をなくしたら、そこには諦めしか残らなくなる。
『でも…俺、ミチのこと幸せにできんのかな?って思うんだ』
翔はそう言うと小さなため息をついた。
『ちゃんと就職できんのかな?とか。将来のことがなーんも見えないじゃん、今の俺には』
焦らなくてもいいはずなのに。
翔は今よりも未来のことを考えている。
そんなの、なるようになるんだ。
なるようにしかならないんだ。
その時にならなきゃ、分からないんだ。
だけど翔は。
そんな未来への想像で、今を見失ってる。



